テバサキ

君の名は。のテバサキのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

いやはや、新海誠監督は素晴らしい。

監督のアニメの魅力として真っ先に挙げられるのは、やはりその美しさだろう。
何気ないカット1つとっても、目を見張るものがある。その場の空気を想像させる絵を最後まで描き切っているので、没入感が他のアニメ作品とまるで違った。
中でも、接近するティアマト彗星を三ツ葉が見上げるシーンは一際美しく、鳥肌が立ったものである。

次に音楽。
今回はRADWIMPSが劇中歌からBGMまで全て担当しているとのことだったのだか、変に意識することもなく、自然と物語にのめり込むことの出来る音楽でした。曲自体の良さもさる事ながら、新海誠監督はそれらをかけるタイミングも心得ている。劇中歌が流れるたびに、いちいち感動してしまうのだ。

さて、肝心のストーリーだが、これに至っては(個人的には、だが)もうほとんど満点だったと思う。
盛り上がりも充分にあり、内容の濃さだけなら1クールアニメが作れるなと、ふと思いました。新海作品はひたすらにリアルなストーリーであったため、オチが白黒つかないこともままあったが(そこも含め好きなんだが)、今回はガッツリハッピーエンド。少し間延びしたか?と感じた点さえ目を瞑れば、もう大満足です。

「君の名は。」というタイトル通り、互いの名前を忘れまいとする2人の感情が映画の肝となっている。ラストシーンもこの問いかけによって締めくくられるが、2人にとっては名前を確かめて覚え続けようとすることが、「愛してる」の代わりになっているのだなと、思い返してみて今思う。瀧が三ッ葉の掌に名前を書くとき、名前ではなく「すきだ」と書くことから、このことがより分かりやすくなっている。「君の名は?」に対する返答は「すきだ」になるわけです。

物語が終わった時、その世界から出て行かなくてはならないことを、胸が締め付けられるくらい名残惜しく感じる現象を、過去の経験から「らき☆すた現象」と呼んでいるが、この映画では久々にそれを味わった。この現象は行き過ぎると憂鬱感さえ感じるので、そうなる前に私は、また劇場へ足を運ぶことになると思う。




蛇足だが、花澤香菜フリークである私が、ユキノ先生が出てきた時に素っ頓狂な声をあげそうになったのは、もはや語るまでもない。思えば、精神病んで越してきた田舎で、彗星が落ちてきて死んじゃうとか、災難続きだな、ユキノ先生。
テバサキ

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