みきてー

君の名は。のみきてーのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.1
実は最速の完成披露試写で7月に見てたんだけど、消化しきれず感想が書けぬまま今に至った。案の定、見た人のああでもないこうでもないムーブメントに気圧されている。

私は新海誠が非常に苦手である。全作観てるけど。

それでも今作を賞賛したい気持ちになったのは

①今まで新海作品でずっと会えなかった“アイツら”がやっと報われた気持ちになったから
②こうだったらいいのに~ああだったらなぁ~という類のウジウジした思考に、必然性があった

という2点の気付きからである。

特に②に関しては、舞台挨拶で市原悦子が発言していた「震災、災害、そういったものに苛まれた人達への目線」を携えていることと密接している。
3.11以降「もしあの震災が起こらなかったら」と誰もが一度は考えたはずで、主人公たちのがむしゃらな青春のもがきは、私を「震災が起こらなかった世界」へと連れてってくれるのでは、と期待&錯覚すらさせてくれたのだった。ああ…感想までセカイ系みたいになっちまった…

やっぱり童貞の考えるラブコメみたいなノリは苦手なままだったし、隣の芋カップルが上映中ディープキスしまくってたり、げんなりポイントもあったのだけど、新海フォビアのバイアスがかかりまくった立場からしても、もう一度見たいと思わせてくれるに足りる青春映画だった。
みきてー

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