SHIDOU

君の名は。のSHIDOUのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.9
序盤から、アニメーションとして大切な「動きの気持ちよさ」で魅せてくれる。細やかに、よく動く。それだけでまず嬉しい。

そして、背景の美しさ。
彗星の美しさにまず心をぐっと掴まれる。ここは重要で、皆心奪われる美しさを感じさせるからこそ、その後の展開が映える。見事!

キャストも充実の演技だった。入れ替わる2人の完全に同化した演技。神木隆之介が女子に入れ替わるところは、初めこそ笑いも起こるが、すぐにそれが当たり前になる。この演技の説得力。

長澤まさみも、もはや本職が声優なのかと思えるくらい自然だ。

SFとしての大仕掛けは決して斬新なわけではないが、余計な説明がなくても映像と物語の展開できちんと伝えられている。個人的にここは1番評価したい箇所。

ただ、自分がRADWIMPSに馴染みがなさすぎて、劇中歌が流れるたび少し現実に引き戻された。でも物語の価値を貶めるものではないし、観終わってすぐに僕はサントラを借りました笑

なにより、ボーイ・ミーツ・ガールの素晴らしさを描き切った脚本。これがあるから全てが活きるわけで、よく2時間でまとめたものだと驚嘆。

とにかく中盤からラストにかけてはもう抑えきれずメチャクチャ泣いた!意外な展開には思わず「えっ…」と声が出てしまうほどにのめり込んだ。

新海誠監督は100億以上のヒットに戸惑いを見せているそうだけど、胸を張っていい!ジブリに並んだと思っていい!今後の作品も楽しみ。


「怒り」の衝撃を越える映画はそうそうないだろうと思っていたらいきなりこれだ。「怒り」を見てなかったらこれが劇場で1番泣いた映画になっていた。

あらためて今年の邦画の充実ぶりに驚く。しかもヒット作に内容が伴ってるなんて!逆か。内容が良いからこれだけヒットしてるんだ。

流行りものだからと毛嫌いせず、自分の目で確かめて本当によかった。
SHIDOU

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