KANIO

君の名は。のKANIOのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
5.0
再観賞。

男女の出会いを最大に美化したストーリーテリング、御神体の洞窟での”生まれ変わり”のロジック、RADが手掛ける音楽、円環構造にある画面構成、タイムラプスなどの演出、キャラクター造形、どれをとっても最高に魅力的であり、オールタイムベストに組み込みたい大傑作。

監督曰く、映画には「ムスビを大切にする」という意図は込めていない。ムスビ(絆)は「ほだし(人を縛るもの)」と両義で、若者を自立から阻むものでもあるから。だから、できれば多様な受け取りの出来るものにしたかったと。

今まで絆(呪縛)を肯定的に演出として用いていた過去新海作品群の別解であり、ラスト数分でそれらの”一歩先”へと踏み込んだ本作。
中学生の多感な時期に監督に影響された人間としては、監督が作り上げた王道(呪い)を自身の手で打ち破り、この歳になってまた新たに突き動かされるとは思っていなかったので何回見ても死ぬほど泣く。
次回作では、また”いつも通り”の新海作品が観たいな。
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