鑑賞直後は良いアニメーション映画だと感じるものの、時間と共にモヤモヤして段々と嫌いになっていくタイプの作品。
面白いけど嫌い。
まず
良かった点から。
第一に作画。
これは新海誠作品を通して言える事だけど、背景の作画が本当に綺麗。
後々の展開で重要になっていくシーンや、意味合いの強いシーンでの作画も気合いが入っていた。
巫女の踊りシーン、回想シーンなんかは特に作画が凄くてお気に入り。
第二に展開のリズム、テンポ。
ポップな感じでオープニング映像が流れて爽やかスタート。本当に新海誠作品なのか?と疑問に思ったほど。
話運びにスピードがあって、難しくアレコレ考える暇なくとにかく惹き込まれる。
が、同時に新海誠らしくないので、ファンの立場からすると嫌う人多いんじゃないか?と思ったりもした。
第三に新海誠の過去作のオマージュ。
これは新海誠ファンには嬉しい。俺はファンじゃないけど、集大成としての気迫をビシビシ感じた。
「ほしのこえ」「雲の向こう、約束の場所」「星を追う子供」「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」
これらの作品群を全て観てから「君の名は。」を観るとマジでより楽しめる。
では、この作品の嫌いな点。
第一に・・・
これは叩いてる人の大半が言ってると思うけど、設定の雑さ。
これが嫌いな最大の理由。
あまりにも説明つかないポイントが多過ぎる。大杉漣だよ。
ネタバレになるから言葉を控えるけど、物語の中盤で発覚する衝撃の事実。それを裏付ける程の説得力が微塵もない。ちょっと考えたら「ん?」って引っかかる点、荒が見付かる。
衝撃を中盤にぶつける代償として、脚本に粗を与えた。みたいな感じ。
第二に都合良すぎ連発の終盤。
いよいよ大詰めになって、いちばん盛り上がる流れで・・・台無しにって感じ。
ここは新海誠らしいけど(笑)
震災を投影してるってのはわかるけど、それをあのオチで片付けるってのはむしろ不謹慎なんじゃないのか?
最後の最後まで泣ける展開を潰してる気がした。
第三に、主人公の存在。
女の子の三葉は、物語に居なくてはならない重要なポジションだというのはわかるけど、瀧くんはどうだろう?
別に、瀧くんじゃなくても、別の都会のイケメンだったとしても、話が成り立つ可能性があるから。
瀧くんじゃないといけない最もな理由が欲しかった。
まぁ、ほかにも音楽がうるせぇとか色々不満な点はある。
でもこういう萌えアニメが世間にウケるってのは世の流れが変わりそうで期待している。