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君の名は。のshinobuのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
3.5
今更だけど、やっぱりどうしても気になり観てしまいました。公開から数カ月経過した今でも1日に4回劇場でかかり、客も30人近くはいたはず。しかも佐賀市でだ。

えー、本作を褒めるのは少し勇気がいるけど褒めます 笑

これはとんでもないクオリティの高いアニメーションである。作画の美しさは圧倒的でこれだけで充分元は取れる。

そして、お話も転校生と時をかける少女などの美味しいところをミックスさせる手腕。

赤い糸や電車など恋心をヒートアップしてくれるアイテム。
ピュアピュアな胸キュンストーリー。
余韻もなく全て台詞で語られ(口噛み酒を味わいながらも)るので頭もあんま使わなくていいし、展開も早いしもう最高でした!嫌味ではなくて。うまいしズルい!

恥ずかしながら泣きました。ええ。
本当に成長しないな…
あの掌に書かれた言葉。
臭いな青いなとか分かってんのに…ぐっすん


一番好きなシーンは本作では蛇足とも思えるちょっとダラダラとしたラストシーンだ。
ボクはあの着地点は凄く良かったと思う。
あそこはセカイ系でなく現実の世界だった。
あの子達はきっと、特別な力を失い都会の中で埋没してしまうかもしれない。
でも、努力次第で彼はいいとこに勤め、やりたい事が出来るかもしれない。
逆に最愛の人とも別れるかもしれない。
ボクたちと同じように。

そう、若い人達に言うならば本当の物語はこれから始まるのだ。

都合よく男女は入れ替わらないし、運命の赤い糸もないかもしれないし、過去は変えられない。

ただ敷かれたレールから降りる事もできるし、新たなレールを作る事だって出来るのだ。努力次第で。(ボクは偉そうな事言えないけど…)

ただ、冒頭にいきなり本作の見どころを編集したテレビアニメ的演出シーン、最初の入れ替えシーン、町が……なるってのに胸キュンシーンいるか?どこまで自分達中心なんだ!3年もズレてんのにおかしいだろ!何でそこまで来といて気付かへんねん!都合よく同じ場所に…!などなど、おじさんからしたらちょっと待てよと言いたくなるシーンの連続ではありました。

最後にやっぱりラッドウィンプスに触れない訳にはいかない。
本作の批判に良く登場するラッドウィンプス。彼らからしたら頼まれたから音楽付けたのに知らんがなって話だと思う。

それを分かったうえでいいます。
邪魔でした。
前前前世がかかった時は、おー!知ってる知ってると少し高揚感ありましたが。
やっぱりただのPVになるし、ちょっとうるさかったかな。

うーむ、と引っかかる場面が幾つも重なり満点とはいきませんが、観ている間は惹きつけられ、恋っていいなと思えたしボクは満足しました。

さあ、15日は片渕監督の舞台挨拶付きの「この世界の片隅に」だ。楽しみ楽しみ。
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