ねじまき

何者のねじまきのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
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就職活動と舞台演劇をカットバックする映像編集や、視点の転換など、映画というジャンルを使った仕掛けが、イイね!な感じの作品でした。音楽は極端すぎる感じもしましたが、多分好みの問題です。
この作品の突きつけてくる凶器については皆さんが言っている通りだと思います。それはそれとして、自分はこの作品の持つ目線が好きです。大学生のもがく様を意地悪に切り取っているようで、どこか彼らの今を肯定的に扱っている感じがします。最後のシーンのあの感じなんか、行ってらっしゃいと声をかけているようにも思えます。

いい作品です。ただ、せっかく世の中に垂れ流せるレビューという場をお借りしているので、自己満足のつぶやきとは別に一言だけ主張を。

「演劇と就活は全然違げーかんな!あんな映像編集だけで束ねて片付けてんじゃねーぞ!」
作り手の方は承知の上かもですが、この造りだとそういう風に捉える人だってきっといると思うんです。



以下、原作を含めた感想です。作中取り上げているモノや時代感が既に古くなってしまっている事にちょっとした恐怖を感じました。イマを切り取ったこの作品の特性ゆえ、単行本でリリースされた瞬間が一番の食べごろなのは仕方がない事です。でも、こうした誰の心も訴えるようなテーマを取り扱っているのに、ターゲットも作品の賞味期限も極端に絞り込んだ物語にしてしまったのはなんだか勿体無いなぁなどど思ってしまいました。そのかわりドンピシャな人には強烈だろうし、やっぱりそれでいいのかなぁ。
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