みー

何者のみーのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
5.0
頭の中にあるうちは傑作

原作未読。
心臓をナイフで刺されまくった感じ。
自分がソーシャルネットワーク世代ど真ん中なのもあり、普段Twitterなどを利用しているため共感せざるおえない。
逆に普段SNSを利用しない人には恐怖感のみが伝わってしまうだろうし世代的には合わないって事もあるだろう。

私は主人公拓人とクリエイター思考の陸良に一番共感した。
意識高い系女子理香の写真のアップがInstagramな所もこだわっていて面白かった。
就活を題材にしたのも解りやすくて良かった。
最後の自分の人生の舞台を晒す(晒された)拓人も良く、拍手に合間に聞こえるTwitterを打つ時の音も良く、拍手している人たちが一切笑っていないのもソーシャルネットワークの顔が見えず無意識なイイネ感があり良かった。

確かにSNSを普段使っている身からすると常に傑作を最高の形で見せたいってのがあり(どうしてもフォロワーの数を自分の肯定されている数と見がち)、失敗を見せるのが怖いって部分もあります(フォロワー=肯定の数が減るので)。140文字で表現してどれだけイイネを貰えるか考えたりしているものも普段から見かけます。それって面接官の言う一分間で自分を表現してくれってのと一緒でそれは本当に自分なのだろうか...何者なのだろうか...。ん~難しい~。

自分の中のものを少しでも失敗でもいい晒していかないと何者にもなれない。
私は見終わった後に自分の考えをもう一度見直せました。

重い話ですが、色々考えさせられる映画です。観てよかった。
みー

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