かんな

何者のかんなのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
3.5
ほんの少しネタバレが含まれますがほとんど自分の意見。

後半の舞台上での演出はとても面白かった。
そして、ラストの
「1分間では話せません」
というセリフが最初の
「面接の1分間はTwitterの140字のようなもの」
というセリフと繋がり、
主人公がツイッターに依存せず自分と向き合い周りと主体的に交わることを始めるということを示唆しているのだと思った。

''みんなで''作り上げる演劇。一人で闘う就活。そしてその全てで生じる孤独な時間。
孤独になると人は、冷める。
客観的に見る=冷静≠冷める
冷静と冷めてるのは違うだろう。
冷めた人の発する言葉、思想、態度。
それらが一番寒いのではないだろうか。
人を馬鹿にした態度、言葉。それによって誰が得をするだろう。
匿名で呟いた悪態で得をするのは誰だろうか。

そう感じてしまう映画だった。

でも、きっと世の中には冷めた目で人を見る人がいて、このレビューも冷めた目で嘲笑う人がいて、今目の前にいる人も冷めているのかもしれない。そして時々、自分の中に現れる冷めた自分もいる。
そんな冷めた人が嫌いだ。
でもそんな冷めた人になりそうになる自分がもっと嫌だと感じる。

冷めていては、楽しくない。
楽しく生きたいと、思う。
かんな

かんな