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何者のdaigoのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
3.6

映画というフィクションの中に、たくさんのリアル(ノンフィクション)があった。キャラクターの描き方もすごくリアルで、目を背けたくなるような人間の醜い部分が、鮮明に映し出されていた。現代を捉えていて、素直にすごいと思った。

自分の当時の就活のことを思い出されて、胸を締め付けられる感覚を覚えた。それはノスタルジーのようなものとは異なり、自分の中の劣等感や醜い部分を掘り出されるような感覚。

他の映画のように「非日常」を求めてこの映画をみてしまうと、見たくない現実と対峙させられ、期待外れになってしまうと思う。
ファンタジーやロマンチックな映画もあふれている中、こういう現実を考えさせられる映画も面白い。

内容に関しては、淡々とストーリーが進んでいく印象があったが、就職活動という身近なテーマで飽きずに見ることは出来た。
また、キャラクターがすごく映えていて、自分自身と重ね共感しながらみてしまったし、りかがタクトに言った言葉はまるで、自分に言われているようで、胸が痛かった。

ただ、「こういう現実あるよね。」っていう問題提起だけされて終わるような感じ。闇だけ見せられた感。最後のシーンは色々な解釈があると思うけど、もう少し「救い」や「光」があっても良かったかなぁと思う。


自分自身が「何者」なのか。
就職活動というものを通して描かれているけど。
自分自身を表現するのって難しいよね。
短く簡潔に表現するなんて特に。

あぁ、転職活動がんばろ。
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