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何者のFのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
4.0
22/3/16
就活とりあえず一段落したので、終わったらどう感じるんだろって思ってた、この就活鬱映画を

高校の時に観た時と、大学入って観た時と、就活始まる時に観た時と、今観た時で感じ方が全然違くて凄い。相変わらずの地獄感と、二階堂ふみの詰めにはグサグサきてしまうけど、そうだよなって部分が多すぎて改めて共感できすぎた。

菅田が言ってた「俺は就活が得意なだけだったのかも」がめちゃめちゃ分かる。それが正しいのかどうかは分からんけど、大事なのは結局自己分析でも、これまでどう生きてきたかでもなく、「就活」が上手いかどうか。取り繕おうが、適当に嘘つこうが、評価されるのは面接の30分とか1時間の言動であって、人事と建前論の会話を楽しめるかどうかの茶番、オンラインになってなおさら。端的に言えっていうけど、自分が何者かなんて伝えられないと思うし、だからこそ最後の「1分間では話しきれません」ってのは印象的だった。

二階堂ふみ、やっぱり話全部知ってても凄い。彼女なりに頑張ってるんだろうなって思えるけど、あの共感性羞恥メーカーは圧倒的。教科書通りカンボジアに学校建てて好き。

この映画やっぱり出演者みんな豪華で凄い。
菅田の憎めなさと有村架純のあの感じ本当に上手すぎる。佐藤健の立ち回りついついやりがちだから、あの痛さにならないように気をつけたい。


エンドロール見てたら、協力で東宝人事部って書いてて笑った。藤原季節も名前あったけどどこにいたんだろ。



19/8/14
原作既読、高校の時に観た時は微妙だったけど、大学に入って、この感じ分かるなと思ってしまった。
就活する前にもう一回見ようと思う。


21/6/29
就活はじまる頃にもう一回観ようと思ってたのを思い出して再鑑賞。思ったよりも相当な地獄だったけど、共感できすぎて前見た時より評価は高くなった印象。

ESやらなんやらで、忙しくて全く映画観られない中で久しぶりに観た映画としてはもう刺激が強すぎてグサグサときてしまった。就活生専用鬱映画であり、れっきとしたホラー映画。人間が1番恐ろしい… 夏インターンに応募して、はじめて祈られてあと1年これやるのか…って萎えてたのをしっかり追い討ちしてくれた。

全然就活はじめたばっかだけど、今までの人生とか人間性が試される中で、他人とやってたらああなるのも分かる気がする。お互いに探りあって、嫉妬して、地獄空気でも利用しあっちゃうの人間の闇すぎて怖い。協力するのはもちろん大事だけど、ある程度線引きは必要だよなって思った。webテとか合説の話はコロナで状況は変わってるけど根本は同じな気がした。


二階堂ふみが凄い、ああいうナチュラルなやついるよねって思っちゃうし、もう喋らないでくれって思うくらい共感性羞恥をめちゃめちゃ煽ってくるあの感じは流石でしかなかった。100%のど正論でも今それ言うなよって事言わないように気をつけたい。
…と思ってたらやられてしまう… いつの間にか誰もが佐藤健と同じ目線となって大ブーメランをくらってしまう。あの脚本構成は凄すぎた。佐藤健を詰めるシーンはもうエグすぎて、あたかも自分にいわれてるようにグサグサきた。心からもうやめて、ごめんなさいって言いたくなったし居た堪れない気持ちになる。エグすぎるオーバーキルはもう地獄。

これまでの人生を振り返って、自分が何者かを理解するのが自己分析だけど、結局何者でもない事に気がついちゃう。好きな事して生きていきたいけど、あんまり行きたくない企業の志望動機をとりあえず考えるあの虚無時間も大切なのかも。

役者陣は6人とも上手すぎて流石だった。有村架純と菅田がちゃんと就活生に見えるの凄い。

ラストシーンは絶望の中の希望が少しだけ描かれたのが唯一の救い、れっきとした鬱映画だけど、改めて就活頑張ろうとも思える。就活終わったらまた観たい。
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