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レッドタートル ある島の物語のAKのレビュー・感想・評価

4.6
異界と繋がる海、異類婚譚、押し寄せる津波、解釈不能のシーンの数々。『レッド タートル』は、大人版ポニョと言えるかもしれない。そのとんでもない傑作具合を含めて、これは間違いなくスタジオジブリの作品だ。『岸辺のふたり』を見ていなくたって、全員これは観た方がいい。素晴らしすぎた。

谷川俊太郎の言葉を借りるならば、『レッドタートル』は言葉ではなく、その81分すべてで、生命の謎に答えようとした作品だ。それは解釈の提示ではない。もうひとつの生命だ。

『レッド・タートル』、セリフのない映画ときいて静かな作品を想像している人は多いと思う(岸辺のふたりを見ていたらなおさらだ)。だけど、猛る風、荒れ狂う海、雨の瀑布と、荒々しい音が支配する音の映画でもある。だから絶対映画館で観なきゃダメです。絶対後悔しないから。

なんでこんな作品を作れるのだろう。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットは、魂が深すぎる。
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