レッドタートル ある島の物語の作品情報・感想・評価

レッドタートル ある島の物語2016年製作の映画)

The Red Turtle

上映日:2016年09月17日

製作国:

上映時間:81分

3.6

あらすじ

どこから来たのか どこへ行くのか いのちは? 嵐の中、荒れ狂う海に放りだされた男が九死に一生を得て、ある無人島にたどり着いた。必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によって何度も島に引き戻される。 絶望的な状況に置かれた男の前に、ある日、一人の女が現れた——。

「レッドタートル ある島の物語」に投稿された感想・評価

Hiroki

Hirokiの感想・評価

4.2
スタジオジブリとオランダの映画監督がコラボして作られた作品。

セリフというセリフは無く、心地よい音楽と共に淡々と物語は進んでいく。

無人島に流れ着いた男がそこで家族を作り生涯を終えるまでの物語。


人はなぜ生き、何を求めるのか。


今の僕ら世代は、自分でも把握しきれない物や情報に囲まれて生活しているが、
映画での無人島生活は至ってシンプル。

家族、衣食住、自然、感情。

これらの少ない要素でも、人生とは何かを問いかけることが出来る。

激動のこの時代に合った映画、視点が凄くいいと思いました。

音楽も素晴らしい。

喜怒哀楽が、喜怒哀喜怒哀楽くらいのバランスで書かれてるのも深い。
亀

亀の感想・評価

3.5
台詞なしの長尺ショートフィルム。第一印象最悪が恋になり愛になる。長年連れ添い泳法が似て(脚で蹴らない)きて泣ける。
Taul

Taulの感想・評価

5.0
『レッドタートル 』
無人島に流れ着いた男。希望さえ失いかける孤独の果て、不思議で恒久的なストーリーが引きの画で始まる。自然の中苦しめられ生かされ愛し紡がれる命。ちっぽけで音声もない映画なのになんて雄大で感慨深いんだ。言葉にならない感動に包まれ涙。我々もあの島を生きている。

映画『レッドタートル ある島の物語』に関する私のツイートをモーメントにまとめてています。
https://twitter.com/i/moments/824256116141924357
yukinko

yukinkoの感想・評価

2.8

このレビューはネタバレを含みます

レンタルにて鑑賞。
初っぱなの撲殺事件でコレアカン…。
早送り⏩しかけました。なんとか主人公(かな?)を嫌いにならずに済みましたが、話はよくわからない。
何かを伝えたいのでしょうが、つかめなくてスミマセン。
映像は素敵でした。カニが可愛い。
ちなみに、字幕なしの音声フランス語だけでびびりながら見ましたら
「ヘイ!」しかセリフなかった(笑)
nmo

nmoの感想・評価

4.0
徹底的にシンプルにしたのは素晴らしいと思う。だからこそ捉え方も人それぞれで面白い。
深いなあ。

人間にはあまりに不親切な純粋の大自然。美しい花も、水々しい果物がある訳でも無くただの海、草、砂、空。
アダムとイブのような神秘的な物語かと思えばそんなことは無く、ただ空虚。
着衣だって嘔吐しながら寒さを凌ぐ為に手に入れたもの。今毛皮のコートを羽織る金持ちはどんな気持ちであれを着用してるんだろ。

印象的だったのはやはりタイトルにもある、亀。
膨大な時間の流れと人の老いの本質をワンカットで伝える表現、素晴らしい。
どこから来たのか?どこへ行くのか?これは終わりのないテーゼで人間は自由の中に自分でどこへ帰れないのか、どこへなら行けるのか。自らの枷でUターンを繰り返す。大自然の中で無力な人間が自分のせいで一つの終わりを迎えた命と、自分から生まれた新しい命の二つを抱えながら葛藤を始めるところなんか段々と人間らしくなる姿が堪らなくいいですねえ。
ファンタスティックプラネット思い出した
輪廻。輪廻。動きが好き

この作品を観終わって、まず思ったのは、コレかなり危険な映画やなぁ~ってことでした。
色のコントラストが、いわゆるネーチャーモノに見られるようなパキッとしたものでなく、明らかにテレンス・マリック映画におけるマジックアワーを意識しての淡い色使いの温度感で非常に心地よいのですが、根本で語られることは、醜悪なものだと感じました。
まず、これは物凄く”抽象的”な寓話である、ということ。
キャラクターの属性(人種、国籍そして名前)が全て剥ぎ取られており、顔の造形もシンプルを通り越して、単なる”これは男である、これは女である”という記号化されたものになっています。

…そしてこれは、「浦島太郎」まんまである、ということ。
しかしそれは現在、定着して誰もが知ってるファイナル・カット版じゃなく「風土記」に記されている初稿フッテージ版の方です。

この「風土記」版では、浦島が魚釣りをしていて、亀を釣り上げてしまうんです(助けた亀に連れられて~、の下りは仏教の因果応報の倫理観が日本に浸透したあとに加えられたものです)。
そしてその亀は女と成り、浦島に向かって”自分の決心は固まっているが、あなたは如何なものか?”といきなり無茶振りプロポーズをするんですね。つまり亀と乙姫は同一だったんです。
浦島は、相手の素性も知らぬまま、従ってついて行く訳ですが…

そもそも、浦島のキャラ設定が、母ひとり子ひとりで40歳独り者…自我が、自立性を獲得していない状態を表していると、考えられます。
これはギリシア神話における”永遠の少年”…成年に達することのない神と同一です。
”永遠の少年”はすべて母親との心理的結びつきの強さも象徴しています。

なんか、どっかで聞いたような…見たような…
接したような…そしてそれは鏡に映ってる男のような…

因みに亀と乙姫の分離については諸説あるそうですが、俺は幻想としての女性がついに手の届かな対象…今でいうアイドル(2次元を含め)にまでなってしまったんじゃないかな、と。

ま・それはさて置き、次に海が象徴するもの…

海は計り知れぬ広がりをもち、その内に無尽蔵のものを宿すという意味において、無意識そのものを表しているといわれています。
「レッドタートル」の”男”は物語の冒頭で岩穴にはまり込み、細い横穴を潜って外海に出ます。
これは、後半、彼の子供が同じような行動をしますが両者はその意味合いにおいて全く異なります。

子供のそれは、子宮から産道を通る…大人になるための通過儀礼に対し、”男”の場合は、明らかに”退行”を意味しています。退行とは、心的エネルギーが意識から無意識へ流れることです。

それは現実からファンタジーへの逃避、と言い換えてもいいかも知れません。

浦島に話を戻すと、ラストに玉手箱というアイテムが登場します。
亀姫の「開けてはならない」という言葉は、浦島が禁止を試されている、ということです。退行から脱却し自我を確立するにはそこに新しい要素が出現し、主人公は努力を払わねばばならない。
この点、浦島は努力が無さすぎたのです。
幻想の空間で幻想の欲望を達成する…

”永遠の少年”は太古から確たるイメージとして在ったんですね。

そして亀が抽象とするもの….

神話学者のケレニーは「亀は神話学に知られている最も古い動物のひとつである」と述べています。

インドの神話では国産み(乳海撹拌)の際、そのあまりの凄まじさに世界が破壊されそうになったとき、大亀が土台となって収めたといいます。
この、「創世記における亀」のイメージはネイティヴ・アメリカン他、様々な地方に認められています。
亀は、”原初”~対立が生じる以前の状態~意識が生まれていない状態のイメージなんです(プラトンは、それを完全な球体として捉えていました)。

対立のない全き世界で、幻想のユートピアを築く…

それがこの映画の正体だと、俺は思ったんです。

それに対比してもうひとつの映画が思い出されます。

「未来惑星ザルドス」

この作品のラスト、ショーン・コネリーとシャーロット・ランプリングが並んで段々と歳を経るシーンを数分のカットで捉えていす。これは彼らが互いに愛し、子を授かり、そしてその子が成長し巣立ち、年老いて死んでいくまでの彼らの人生です。
しかし、その平凡な人生は玉手箱というパンドラの箱を開けても尚、禁止を破ることによって生じる苦労を克服していくだけの強さによって高次の自己実現へのステップを踏んで得たものなんですね…”対立”が存在するリアルな世界の中で。


「レッドタートル」が危険だと最初に書いたのは、そういうことです。

「ドアを開けても、何も見つからない。そこから遠くを眺めてるだけじゃ…」

”少年の詩” ~THE BLUE HEARS
bb

bbの感想・評価

3.0
台詞が一切ない。
単純でもあり難しくもある。
観る人によりかなり解釈が分かれそうな作品。
#2016-84
数字的には大コケで、セリフもないし時間も短いし、特に期待もしてなかったんだけど、やられた。感情という感情をぐしゃぐしゃにされた。
生きるとは、命とは。なかなかこのレベルの映画には出会えない。傑作。
>|