Ryan

KUBO/クボ 二本の弦の秘密のRyanのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
3.6
4800万通りの表情って日本人より多い。



ストーリー
三味線で折り紙を操るという不思議な力を持つ少年クボ。彼は闇の力を持つ祖父に父の命と自身の片目を奪われ、母と静かに暮らしていた。しかし、また最強の祖父に命を狙われる。


監督 トラヴィス・ナイト



面白いんだけど思ったより好きじゃない。
なんか腑に落ちない。
中身がないというべきか。
序盤の展開などはすごく良かったが、終盤でどうにも熱が冷めた。
なんじゃそりゃ!の連続で一気にありきたりなアニメーション映画になったイメージ。
中盤くらいまでは日本を題材にしたこんなに面白いアニメーション映画見た事がない!とか思ってたが、終盤がね。ちょっとね。

とても面白いし、パペットの演出はマジですごい。何回か巻き戻して観るほど作り込まれていた。それだけにストーリーがもっとどうにかならなかったのかと不思議にすら感じる。
もしかすると、これが海外の方からみた"武士道"なるものであるならば仕方がないのだが。

この作品のもう一つの魅力は綺麗な映画だ。
日本人が発音しない綺麗なアメリカ英語が聞こえてきて心安らぐ。
特にマシューマコノヒー。彼の最後のアクセントがたまらなく今作に活かされていた。
他にもシャーリーズセロンやルーニーマーラーは分からなかった。レイフファインズはなんとなくわかる☺️

作り込まれたアドリブ的演技が確かに存在し、この映画に命を吹き込んでいた。
これが全て作り物なのが本当に凄い。
何をどう作っているのかわからない。
監督のトラヴィスナイトはナイキ創業者の息子である。そのため当初、大金持ちだからこんな中身のない映画が撮れたのだろうとか思っていたが、バンブルビーを観て感心した。


今作は確かに面白く魅力的な制作過程だが、日本風アメリカ映画である事には違いなかった。

次のトラヴィスナイト新作は劇場に行こうと思う。
Ryan

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