YSK

ドクムシのYSKのレビュー・感想・評価

ドクムシ(2016年製作の映画)
1.0
廃校の教室で目を覚ました7人の男女が、最後のひとりとなるべく殺しあうお話

何の目新しさもないばかりか誇張された性格設定に吐き気を催すばかりか何の深みも掘り下げもない人物設定や、単調で平坦かつ都合の良すぎる舞台、例え「どんでん返し」はともかくとしても無茶苦茶が過ぎるラストシーン、そういったほんの些細な欠点に目を瞑ればそれなりに凡作でしょう
見知らぬ男女、閉ざされた密室、お互いへ募る不信感、ひとりまたひとりと増えていく死体、迫るタイムリミット…、要素はありそうな気がするものの、シナリオと演出で全て台無しにした感は強くありますね

何やら7人の登場人物には「七つの大罪」が充てられているとのことですが、原作はともかく劇場版にはそういった匂わせすらないため擁護としても無理があります
何の共通点も持たない男女が密室に閉じ込められ、何が起きるかもわからないタイマーがカウントを始め目の前には大きな肉切り包丁、これでデスゲームを疑わないということはないでしょうが、知った風な口をきくいけすかない男の一言「これは蟲毒だ、最近流行っているデスゲームだ」などと宣うに至っては開いた口が塞がりません
そして6人死ぬうちの4人がデスゲームも疑心暗鬼も関係のない事故と自殺、これでどうして作品になると思ったのでしょう?ロリ風の子なんてあまりの急展開に間違えてスキップをしてしまったのかとまで思いました

レイプやセックスのシーンは幾度かあるものの何一つ興奮できる描写ではありませんし、そして何よりラストシーンで提示された「舞台」についてのお話は余りにもあんまりすぎて涙が出ました
というわけで泣きたい人にはオススメです
YSK

YSK