海よりもまだ深くのラランのレビュー・感想・評価

多くの普通の人々の、自分の可能性を信じたけど何者にもなれかった現実を切り取っていた。

主人公の現状は変わりません。
けど、多くの普通の人々は物語のようなドラマなんて起きなくて、奇跡も起きなくて。
だから、そこがリアルで痛くて。

凡庸な自分を受け入れる難しさに、ダメさも含めて受け入れる母の愛情の深さが心に染みる映画でした。

タイトルにも引用された、テレサテンの歌がまた良かったです。
是枝監督のインタビューで、テレサテンの歌は特別になれた人間との対比だと聞いてなるほどと思いました。