前作の「海街diary」のあざとさが無くなって、より地味だけどより洗練された形で幸せが描かれてたように思う。
でももっと大人になってからの方がずっと沁みるんだろうなあ〜。そしてやっぱりこれは父と息子の物語なので、どうしても女の私だとね。
それにしても是枝監督は台詞と食べ物を美味しそうに撮るのが良い。カレーうどん食べたくなった。 阿部寛演じる主人公は「無人の食卓」とかいう本を書きながら、劇中いつも誰かと食事を共にしていて……きっとそういうこと。
俳優陣の演技力は言わずもがな。でも真木よう子はイメージ戦略通りの役より、こういう普通で地味な役の方がずっと素敵。(ずっとエロい。)そしてリリーフランキーのあのシーンは凍りつくぐらい怖恐かった……すごい。あと、団地のおばさまたちを集めてクラシック講座を開くおじいちゃんは、すごーく穏やかなのにそれが逆に不気味で静かな狂気でした。
みんな誰かをちゃんと愛せないからうまくいかないんですね、人生。
「私は海よりもまだ深く人を愛したことなんてないけれどね。」
