どうしようもない。
母の家から金目のもの漁るわ
姉にたかる、後輩にたかる、
しまいには別れた妻に養育費も払えない。
あるのはちっぽけなプライド。
誰から見てもどうしようもない、そんな男。
どうしようもない毎日が
どうにもできずに過ぎていく。
でもあの台風の一日から
昨日と今日が違うものになる。
そのたった一日の中にある
いろんな言葉が胸にしみる。
思い描いた未来が必ずやってくるわけじゃない。
理想を羨みながら、違う未来を生き抜く力が、大人には必要なのかな。
「なりたい大人に、まだなれてない。」
それでいいじゃん、と思えた。
「なりたい大人」を忘れなければ。
台風が悪しき日常を全て取り払ってくれたかのような、清々しさがあった。