人と話すのが苦手で、ミリタリーのジオラマが趣味で、母親と二人で暮らしている43歳のフーシ。
外見のせいで彼の持つ善良さは周りに理解されず、ただ普通に生きているだけなのに世間からは異常者扱いされる。
日々の生活の中で彼に向けられる理不尽さや悲しみの中で、彼の善人さとそれ故の不器用さがゆっくりと染み渡ってくる。
細かいけれど、一度使った車修理の道具を一つずつ拭いてから直してるシーンが彼の性格を表してて好き。
どこまでも献身的で、どこまでも優しいフーシ。善人が必ずそれに見合った幸福を得られるとは限らない、何か大切なものを犠牲にして得たものは、失ったものよりも価値のあったものなのか…とか考えてしまうけど、どれだけ理不尽に振り回されても、フーシは初めて見つけた物を慈しんで、今まで感じたことのない幸福と出会えて幸せだったんだろうな。
ここまで一度もなかったフーシの一瞬の表情が現れるラストシーンに、何だか胸が詰まってしまいました。
