このレビューはネタバレを含みます
原題は「FUSI」
主人公の名前です、フーシ。
舞台はアイスランド。
諸外国は「VIRGIN MOUNTAIN」がタイトル。
初めての山、山を超えろ、一歩踏み出せ、て感じかな。
主人公は巨体ながら心優しいフーシ、いじめや謂れのない疑いをうけても、ひたすら堪え忍ぶ。ストレス発散はジオラマ、戦争の場面を再現し友人と盛り上がる。
カート・コバーンが大好きで、ロック、ヘビメタ好き。自分を変えようと一念発起する。
ヒロインはシェブン、一見明るそうに振る舞うが、心に闇を抱えてる、その辺りは明かされないけど、その事実関係が大事。
ケニー・ロジャース＆ドリー・パートン「アイランド・イン・ザ・ストリーム」をリクエストする、これはカントリーで、印象的な場面でかかる。
邦題の「好きにならずにいられない」はエルビス・プレスリーの「can't help falling in love」だし、曲の選択が面白くて、キーになっている。
フーシの愚直で、真摯で、行き過ぎるほどの奉仕の精神はどこか日本人らしさを感じさせる。懸命に尽くす姿は愛おしい。
最後のオチもそうきたかー、と。
ふと、これは村上春樹の小説を読んだ後の感覚に似ていると感じた。すっきりしないけど、日常の中で少し、一歩前へ進む、その感じ。
