Jeffrey

ホゼー・トレスのJeffreyのレビュー・感想・評価

ホゼー・トレス(1959年製作の映画)
2.5
「ボゼー・トレス」

本作は一九五九年に初の欧米旅行へ出た勅使河原宏がニューヨーク駐在の写真家マービン・ニューマンの紹介で、プエルトリコ出身の二十二歳のボクサー(タイトルの名前)に出会い、五十六年のメルボルンオリンピックで銀メダルを獲得した彼の映画を作った。ちなみに彼はマイクタイソンの伝記を執筆している。この映画、冒頭からなかなかインパクトのある画作りをしていて、音楽が武満徹とのことでかなり力が入っている。ナレーションが入り、彼のボクシングスタイルなどに解説が入る。映像はモノクロで、不気味な音楽とミドル級の彼の練習場面やタイトル戦などを映す。

どうやらこの映画を撮った時は誰にも負けたことがなかったそうだ。今回のDVDボックスの中には続編のPartiiもあったんでそれも同時に見た。やはり時代が時代の時に白人社会の中でどのように生きていくかと言うマイノリティーの孤独を映している。作品自体は二部構成のドキュメンタリーになっていて、世界タイトル戦に向かおうとする彼の姿をとことん撮った続編はおよそ五十八分、一作目は二十五分である。二つ合わせて一本分位の作品だ。スペイン語で演説する彼は非常に印象的だった。
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