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悦楽交差点の010101010101010のレビュー・感想・評価

悦楽交差点(2015年製作の映画)
3.0
こういう、ウソ〜っぽく笑いながらオレたちの心を一方的にたぶらかして去っていく、でもって、そんなこと何とも思っていないような女の子たちのことを、向井秀徳は「透明少女」と呼んでいたんじゃないか(笑)。

ヒロイン(?)の女、あそこまで極端なカタチは少ないかもだが、まぁ、いるもんだよなぁ、と思う……。
今だったら、例えばインスタ女子、ティックトック女子とかに顕著だが、すべてを欲望と消費のシステムに回収してしまう荒涼とした高度資本主義に侵されており、「見せる/見られる」が反転しているようなことは、現代では実はそう珍しくもない。
これって一体、どちらの欲望なんだろう……、それでもって「勝ち組」になっているのはどちらなんだろう……(言葉は悪いが、それでもってチヤホヤされて承認欲求を満たしたり、高いプレゼントもらったりしているのは完全に彼女たちの側であり、彼女たちのインスタをついスクロールしてしまう私(たち)は、逆にそのダシにされていると言ってもいい……笑)

余談だが、一昔前は、一種の自立した女性の象徴として「男に媚びてるんじゃないのにエロい」という表現方法をとるアーティストがいたものだが(ブリトニー・スピアーズとか……)、そこから更に時が回転した感がある。
この映画の女ではないが、今は、「自立?いやいや、媚びて、手玉にとってナンボでしょう」という若い女性の姿が、昔よりも目につくようになった気がするのは私だけだろうか……。
なんともやるせない。それでも、この社会の欲望と消費のシステムの歯車は加速していく。

そんな中で、主人公の男と小太りの女性が醸している昭和感はどうだ!
ラストの爽快感!
オレも決して「勝ち組」ではないけれど、人生、爆笑しながら逃げきりたい!(笑)
あの女の人、マグダラのマリア(!)って書いてる方もいたけど、なるほど。そして幸せになってほしい。

そして、とはいえ、ヒロイン(?)的な位置の女の人も、決して憎むことができない……。そういう描き方になっているのは、城定監督、さすがですね。