「先輩…葬式出てあげますから、野垂れ死んでください」
山奥の男子校に演劇部の合同合宿に来たJK達が泥の化物に襲われるお話。
先日投稿した「ドロメ」のアナザーストーリーこと「男子篇」です。
一体あの時向こうでは何が起こっていたのかっていう、「女子篇」の解答にもなっています。
男子側の主人公である颯太視点にすることで、同じ内容でも明らかに違いがあるんです。
実は「女子篇」でもチラッと触れられますが、颯太は霊視能力があり今作ではそれがガッツリ掘り下げられるので最早別物レベルで物語の印象が変わっているのが面白いです。
そもそも何でこの2作が思いの外気に入ったかって、両方観た後よく考えたら子どもの頃「木更津キャッツアイ」が好きだったからってのもあるかもしれない。
ああいう後々「実は一方で…」みたいな造りが当時の俺には新鮮で、それがあのドラマが好きだった一番の理由だったから今作も自分に合うんでしょうね。
あと夜中に布団でふざけあったりとか、男子ならではのノリとか結構懐かしさが刺さったのもデカい。
颯太が終盤「ぶっちゃけ今日、めっちゃ楽しい!」って言ってて、自分ももし同じ状況だったら言いそうだな~とか、ふと思ったりね。
ただ颯太の親友役が演技あんま上手くなくて、一番良い所で軽く噛んでいたのとか超勿体なかったです。
幽霊要素が増えてもぶっちゃけ怖くはなくて、霊の見た目も完全に子ども向けなんだけど普通に正拳突きかましてくる物理系幽霊だったのはちょっと面白かったです。
あとこっちの方がCGの量が若干多い気がしますが、クオリティはお察し。だけど、教室の粘土細工が変異してドロメになるくだりは割と良かったです。
こうして各々の辿って来た道を踏まえて再度終盤の男女アッセンブルシーンを観たら不思議と目がムズムズしてきたんだけど、これは多分俺が花粉症だからなのかもしれない。
エンディングも途中で予想付いたけど、アレどうするんだろうね。
もっと描写が過激な土ホラーを求めるなら「血を吸う粘土」シリーズとかの方が全然良いけど、いやー、うん、素朴な青春(ちょい)ホラーで面白かったです。たまにはこう言うのも良いね。
2つ観て初めて腑に落ちる部分がいくつも出てくる作品ですが、一応どっちかだけでも大筋は掴めます。が、片方観て興味が湧いたなら是非両方観て欲しいですね。