FujikawaHosei

ダンケルクのFujikawaHoseiのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.2
個人的にはノーランの作品は賛否が分かれると思っている。ダンケルクはいい作品だと思う。だがそう思ったのはラスト30分を切ったときから。それまでは、背景のダイナモ作戦を知らないのもあるが、作品を掴めている感覚がかけらもなかった。画の抜き方、音楽の使い方には感心させられるところが所々あったが前評価で「これ以上ない!!」と絶賛している人々とのギャップを感じずにはいられなかった。作品に入り込めそうになっても「1Dのハリースタイルズ出てるけど作品の雰囲気に合わなくないか」、「キリアンマーフィーとトムハーディはまたノーランさんにお世話になってるんだ」など演者に目が行ってしまい、あまり入り込めなかった。逆に言えばラストを除いて作品のほとんどがそう思わせないほど入り込める作品ではなかったということ。それが終盤に差し掛かるにつれて様相を変えていき感動せざるを得なかった。作戦の裏では一部の兵士しか救おうとしていなかった、キリアンマーフィーが無垢な少年を事故で殺めてしまった、兵士たちは常に生きることに必死だった。列挙すればキリがないほどのすべてのこと1つ1つに大きな意味を見出せるようになり戦争に関して考えられずにはいられない。そしてその中でダイナモ作戦の持つ意味、それがなければイングランドプレミアリーグに何らかの影響があったのではないかと思うと感謝しかない。語るには時間がいくらあっても足りないほどの映画だと思う。それにもうそろそろ電車降りるのでここら辺で。
P.S.大画面がいいと言われているがそれはダンケルクに限った話ではなく映画全般にいえる話ではないかと思う。