ななし

少女のななしのネタバレレビュー・内容・結末

少女(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

映画 少女
とても良かった。まず最初の入りの靴音、最後のエンディングの入り方(了を書ききって終わるかと思いきや、途中で暗転)、監督で止まる。
映像美が凄かった。
残念なのはあのテーマ曲が聞けなかったこと。

己に打ち勝てと山本美月が呟き海辺を歩くシーンは髪がなびいて後ろのライトが太陽のように震えていた。最高、それしか見てなかった。美しい。震えた。
ごめんなさいと繰り返し呟くのは私の記憶を思い出した。
海辺を走る二人は、本当に親友なのだと思った。まじで珍しい。救えるのはお互いだけと知っていることは素晴らしい。

でもみんな狂気をはらんでいた。
敦子は足の怪我が治っているのにふりをしていて、その変わり身が秀逸。自分で夜の綱渡りを読む勇気は無かったのかな?きっかけを探していたのか?面白い。
ゆきは自分の思いを小説に託した。それはよくあるが、やはり高校生。どんなに大人ぶって強がっても弱さを感じる。そして自分の思いはあまり言えないが、鯛の目をを箸で刺し潰す厨二性はある。
たっちーあんどすばるは何故名前を入れ替えていたのだろう。気になる。しかし子どもだった。
子供の病室は闇が深い。やはり子どもは簡単に嘘をつき、考えなしに行動を移す。
あと病室でニモが泳ぐ水槽が映るカーテンが綺麗。
紫織は親からくるのか、それとも親がおかしかったのか。最後のあの顔。美しい。無だった。
花火の描写も素晴らしい。ヨルが恐れていたのは闇ではなくそこに浮かぶ新しい光、希望。そうかぁ、そういう考えもあるのか。すごい。

私が見たいと思うものは大抵水に潜る。海に飛び込み、プールに沈む。
ななし

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