つるばみ色の秋津凡夫

映画 聲の形のつるばみ色の秋津凡夫のレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
2.5
栄光の濡れ鼠

始まりを告げるMy Generationに心を鷲掴みにされ、隠喩に富んだ表現の数々に驚かされた。
また、山田監督の描くキャラクターのあざとい仕草には辟易だが、本作では毒のあるキャラクター達としっかり歯車が噛み合っていた。
そして何より早見沙織の演技は特別なものだった。
ただ将也に焦点が当てられている割には、彼の心象の多くが省かれている為、原作に比べキャラクターが薄味になり、物語も御都合主義に思える。

耳を塞ごうとも無音の世界には届かない。
飛び降りて、その内に入って行かねば。
月、鯉、光、花火、水。
声無き聲は至る所に。
ずぶ濡れで見上げた橋の上から物語が始まる。