ジャッキー

映画 聲の形のジャッキーのネタバレレビュー・内容・結末

映画 聲の形(2016年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

漫画は未読。
①西宮さんについて
最も腑に落ちなかったのは西宮さんの心情があまりにも説明不足で、何故石田の事を許したのか全く分からないという事だ。
確かに西宮さんのいじめが石田へとターゲットが移った事で、石田も自身の誤ちに気付いた訳だが、だから許されるべきという考え方はあまりにも主人公を内面化している。それは二宮さんを石田がいじめていた事とは無関係なので。

自殺しようとした事についても、小学生時代のいじめが高校にあがってもなお自殺しようと考えてしまう程辛い思い出であるのならば、尚更上記の疑問が強まる。
ある種DV的というか、ストックホルム症候群的な感情なのではないか?と考えてしまう。

②石田について
謝れば友達になれるだろうという考え方が無邪気で邪悪だなと感じた。
何か問題があるとすぐにその場を逃げる悪癖があるなと感じていたら、最終的にそれを乗り越えるという成長のプロットになっている事が分かる。しかしその乗り越え方にしても自力でというよりはあくまで利己的な考えに基づいた行動とか、周りの人の助けとかである気がして複雑。

③植田について
後半になるに連れて好感度が上がっていった稀有なキャラクター。
高校生にもなってまだ西宮に対してつっかかる様な、幼稚なキャラクターかと思うのだが、後半になるに連れて実は植田が一番西宮さんと対等に向き合っているのではないか?と感じた。
大家族で花火を見に来ていたので、家計を支えるとまではいかなくても金銭的に裕福ではないからバイトをしていて現実的な考え方をしているのかもしれない。
また、最も自身の西宮さんに対するいじめの残酷さを認識し許されないと考えているとも感じた。
あとツンデレですよね。可愛いですね。

④川井について
典型的な自己正当化をするキャラクターであり、いじめ問題に関してそういう対応を取る人間がいるというのは理解出来る。ただしシンプルに不愉快で何の深みも無いキャラクター性で、ここまでしっかりと物語に加える必要性を感じられなかった。

⑤佐原について
一番好き、最も真っ当な性格をしているし、スタイルが良くて美人って文句のつけようがないじゃん…。

⑥物語全体に対して
プロットがごちゃごちゃしていてなんとなく捉え所がないと感じた。
何故こんな気まずいメンツで遊園地に…?もっと田舎だったら人間関係がリセットされない気持ち悪さみたいな物も理解出来るのだけれど、割と都会っぽい?
天明養老反天地に遊びに行くシーンがあるので熊本、九州に住んでいるのだろうか。