極力まで色彩の削ぎ落とされた映像は、禁欲的な雰囲気をうんでいる。ピューリタンの世界をうまく描いているのでは。
他から隔離された、家族という小さな世界の中での恋愛の(近親相姦的)物語。
少女が女になることで、禁止で成り立つ家族内の繊細な関係に混乱が生まれる。その混乱を回避しようと少女に奉公という名の追放を行おうとするのが、物語を引き起こす。
少女を欲望の対象とする弟、つまり姉に恋をしていたがために追放を阻止しようとして、それが事件の引き金となる。
何かにつけて彼女を目の敵にする母親。仕舞いには父や弟をたぶらかしたと責め立てる。母から娘の憎しみが生まれるのは、少女が女になり夫や息子を奪われる恐れ、嫉妬からだ。
現代的に言えば、これが現代的かはわからんが、最終的に彼女はかつ様々な抑圧から逃れ、快楽を享受し、めでたしめでたしなのだろうか。
誰が魔女かという疑心暗鬼は恐ろしい。理解を超える、つまりは恐ろしいことが起きるとスケープゴートを立ててしまう心理。
しかしよく考えるとこのようなことはかなり昔だけではなくよくあることだろう。
赤狩り、粛正、ユダヤ人陰謀論など。
欲望、性愛などついては今後勉強していこう。
