もはや歌ではなく「はみ出たもの」だと人々が語る奇才・スコット・ウォーカーの伝記映画。
去年、ボウイが敬愛していたと知り聴き始めた彼の音楽。ルーツを感じるとても絵画的というか詩的な作風と柔らかくて色気のある声に魅せられた。(ちなみに、デヴィッド・ボウイは本作のエグゼクティブプロデューサー)
かつてはウォーカー・ブラザーズというアイドルグループでビートルズと並ぶ人気を誇ったらしい。全然知らなかったな。
レディオヘッドが原点と語り、ザ・スミスで取り入れたかったとジョニー・マーが話す。音楽好きには興味深い作品じゃないかな。
メイキングが一瞬映る「ポーラーX」のサウンドもめちゃくちゃカッコイイ。作品の持つ混沌と不穏さを音で的確に表現しているなぁと観た時は思っていたのだけど、彼の作品への取り組み方がカラックスの作り方に似ているからこその相性の良さだったのかななんて思った。
どんどんどんどん時が過ぎるたびに悪夢のような不快さが増すのに美しい。ロッキースタイルの肉パンチ音を楽曲に乗せる柔軟さ!和音と不協和音の間を計算し尽くし、限界のその先を追い求める彼の生き方に痺れた。
構成がカッコよく公開中の監督作品である「WE ARE X」が観たくなった。
あと、スコットの元カノとデートしたことがあって、彼の音を聴く彼女にヤキモチを焼いたというボウイのエピソードが好き!ってか、その女性のセンス飛び抜けてる‼︎