kazu

ぼくは明日、昨日のきみとデートするのkazuのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前半は、男女が出会ってから恋人同士になっていくまでの話。途中タイトルが出て、そこから後半は、恋人同士に課せられたある運命に立ち向かいお互いが歩み寄っていく話だった。

電車の中で偶然あった女性に一目惚れして、一緒の駅に降りたので思い切って話かける。いきなり、声をかけて「メールアドレス教えてくれませんか?」はすごい勇気のある行動だが、相手の小松菜奈は、「ケータイがないんです。」という。断られたと思いあきらめようとする福士蒼汰に、「そうじゃなくて本当に携帯がないんです」という。そして、駅の椅子に座ってしばらく二人で会話をする。

観に行く前、タイトルを見て、どういう映画なんだろうかわからなかったが、後半時間軸が交差するタイムパラドックス的な話なんだろうと予想していましたが、実際そうで、後半は恋人同士の前にある壁が立ち塞がる。

実は二人は、時間の流れが逆さまなのであった。福士蒼汰は過去から未来に生きているのだが、小松菜奈は未来から過去に生きている。だから、福士蒼汰にとっての明日は、彼女にとっての昨日なのだ。デヴィッドフィンチャー監督の「ベンジャミンバトン 数奇な人生」と同じ設定だ。

彼女と出会って別れるまでの期間は30日。その真ん中あたりで福士蒼汰はその真相に気づくのだが、そのことを知って今日の彼女は、今まで自分と一緒に経験したと思ったことは実はしていないということを知る。そう考えたら今まで通りに付き合えない。だから別れようと思うのだが、ふと今までなんで彼女が告白されたときや初めて手をつないだとき泣いていたのか、その意味に気づく。

そう彼女にとっては、初めて手を繋ぐ瞬間は、彼氏と手を繋げる最後の瞬間。そのことを知ったとき、本当の彼女の真意に気づく。

男女が出会い、恋人になり仲良くなる。そこに現実的なある困難が立ちはだかりそれを一緒に乗り越える。最終的に恋人同士は、お互いに真の意味で相手を思い、支え合う関係になっていく。その過程を三木監督の落ち着いた映像で観て感動してしまった。線路の映像にback numberの曲がかかるエンドロールのとき泣いてしまった。

過去に対していろいろ思いを巡らすことができた。

新年早々に観て、期待値は低かったのに、けっこういい出来だったからよかった。

小松菜奈が最近本当可愛い。小松菜奈と2時間デートをしているように感覚で、映画を楽しんだ。いい作品だった。
kazu

kazu