Yuri

夏美のホタルのYuriのレビュー・感想・評価

夏美のホタル(2015年製作の映画)
2.7
有村架純ちゃんはどんな風景や設定の中にも自然に溶け込んで、彼女だけでなく作品全体まで柔らかな空気に包み込んでしまう稀有な女優さんです。今回は主演なのでそれをいつもより感じられて、その中に光石さんや小林さんなどアクの強めだけれどしっかりした役者さんたちがいて、すごくバランスが良い作品に仕上がっていました(*^¬^*) 夏美がどこまでも続く山々や田園風景の中の一本道をバイクで走る情景や、山間を流れる小川に靴まで浸って木々の間から幻想的な光が差し込むシーンなど「ああ廣木監督だなぁ、きっとこれもCGなしの自然光なのだろうなぁ」と、一時間半森林浴をしていた様で見終わったら、何だかとてもリフレッシュしていました(*´∇`*) 別の作品ですが「幸せってのはねえ、何かを諦めないと手に出来ないもの(by 樹木希林)」という言葉がぴったりな出来事が、地蔵さんや夏美と慎吾にも起こり、失ったものの大きさにその時は涙するけれど、長いスパンで見たらそれは素敵なターニングポイントになっているのかもなぁと人生に対して前向きになることが出来ました。少女のひと夏ものの映画って多いですし、その中でも本作は地味な部類に入ると思うのですが、役者さんたちがしっかりしていて、地蔵さん親子、雲月さん、夏美と慎吾の生き方がスーッと観客の心に入ってきて還元される実りのある作品です。
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