YukiSano

エヴォリューションのYukiSanoのレビュー・感想・評価

エヴォリューション(2015年製作の映画)
3.4
荘厳なまでに美しいお耽美ホラー。
不気味と美麗が同居している。

こんなにエロ気持ち悪いのはズラウスキーの「ポゼッション」を思い出す。

少年と女性しかいない島で密かに行われている実験とは?

謎に溢れ、最後まで説明せずに想像力を刺激してくる展開。ヒントは沢山ある。

無性生殖や雄雌同体受精が可能なヒトデがメタファーとなって、あらゆる場所でヒントを与えてくれる。

ジェンダーの役割を入れ換えたフェミニズムの復讐なのか、人間が進化した先に辿り着いた運命なのか?とか考え出したら止まらないような、謎が散りばめられている。

しかし、その実 捉え方は何でも良いのだろうとも思う。男女の役割について深く考察しつつ、少年が母親的なものから自立して社会に出る物語という大枠はあるのだろう。

後は概略的な設定は自分で楽しんで決めてしまえば良いのだ。

ヒトデ星人が地球を乗っ取りに来た話でも、海底人類が生き残るために人類を利用してる話でも良い。

例え、そんな設定だとしても ひたすら芸術的に絵画のような画作りと、核となるテーマがしっかりしていれば、アートになると証明した作品。
YukiSano

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