すたんぐ

死霊館 エンフィールド事件のすたんぐのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2013年の『死霊館』の続編。
アメリカのアミティヴィル事件とイギリスのエンフィールド事件、そしてウォーレン夫妻と実在する人物や実際にあった事件がモデルとなっている。

感想
①最初から最後まで怪奇現象のオンパレード。
怖がらせる手法はやり尽くされ、ホラー映画のファンは、鏡が出てくると警戒し、「絶対に怖いものが映る。」と考える。
しかしこの作品は、あえて鏡に怖いものを映しておいて、後ろを振り返り、鏡に向き直ると目の前に怖いものがいる。
また、登場人物が振り返ると、カメラも振り返り、向き直るとカメラも向き直る。視点を共有させることで、緊張感を高め、注意を引くために何か映したあとに、もう一回「デェーン!」と映して驚かす。その手法が巧み。他にも家具が吹っ飛び、壁や天井にひびが入る派手な演出も見どころ。
②伏線の回収がお見事。
伏線を回収して驚かせるやり方は、ワン監督が『ソウ』でやっていたことの延長。今回もちょっとしたサプライズがあり、物語を盛り上げている。
③ワン監督といえば家族ドラマ。
最初は信じていなかった母ペギーが、ジャネットをかばう姿やロレインがジャネットを勇気づける姿が感動を誘う。怖いのにどこか心温まるのは、家族がしっかりと描かれているから。エドが運命に立ち向かう姿も熱い。
④『悪魔の棲む家』へのオマージュ。
冒頭のアミティヴィル事件のシーンは、同事件が元となって作られた1974年の『悪魔の棲む家』へのオマージュか。ファンはニヤリとさせられるだろう。

あえて言うなら幽体離脱するシーンが同監督の『インシディアス』と同じで目新しさがないというだけで、本当に素晴らしい作品です。

2016年7月13日(水)新宿ピカデリーで鑑賞。
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