KANIO

死霊館 エンフィールド事件のKANIOのレビュー・感想・評価

5.0
めっっっっっっちゃくっちゃ面白かった……。
狭く長い廊下の奥に見える人影、開いた扉の向こう側に見える誰もいない暗い部屋、懐中電灯の明かりで照らされる地下室。
恐怖演出に関しては昨今のホラー作品の中でも群を抜いて冴えわたっており、個人的に急な大声や音で驚かせる演出はあまり好きではないが差し込まれるタイミングが絶妙すぎて不快感があまりなかった。
構図、表情、音、キャラクター、どれを取ってもお互いがお互いに対して演出として物凄く効果的に作用しあっていて、構成だけで観ると新時代におけるホラー映画の教科書に成り得る一本。
本作における物語を終わらせるデウス・エクス・マキナが荒唐無稽すぎるのもホラー映画特有のおきまりのような物で、未知の物って結局良くわからない人が良く分からないことして良く分からない事になるよねって。捻りのあるストーリーや感動のクライマックスに唸る作品というよりは、視聴者側の「恐怖体験」に完全に振り切ったエンターテインメント性と心温まるミニマムなストーリーがめちゃくちゃ楽しい作品。何度でも観たいホラー映画。
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