寂々兵

フレンチ・ブラッドの寂々兵のレビュー・感想・評価

フレンチ・ブラッド(2014年製作の映画)
3.3
予告編の段階で抗議が殺到して上映が禁止されたと聞くと何だかなあと思うのだが、確かにいくら自分の思想や行動に疑問を持ちつつあるとはいえ、街ですれ違っただけの人間をタコ殴りにし、店で居合わせただけのアラブ人に国家を斉唱させるほどの極右思想者に対して、医師だか薬剤師だかが「みんな同じ人間、純粋で良いやつだ!」なんて言い切ってしまうのを見ると、彼らに被害を受けた人たちや左の人達がブチ切れる気持ちも分からんでもない。それよりも気になるのはどんな悪人や狂人にも病人の家族がいて家では人間臭い一面もあるという紋切型の描写で、たとえば『ありふれた事件』のブノワ・ポールヴールドみたいに、家族がいる場でも気まぐれで仲間を射殺するほどの気概を見せろと思ってしまうのであった。
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