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シング・ストリート 未来へのうたのvillageのレビュー・感想・評価

4.2
2回目鑑賞。大好きなこの映画が何故つまらないと言われるのかを検証した結果、これはお兄ちゃんの映画だからだと思うのです。
主人公はバンドやりたいっ☆彼女欲しいっ☆ついでに校長打ちのめしたいっ☆そんでロンドン行って夢叶えたるっ☆
ってのを難なくこなし、観てるこっちはあれ、なんでこんな上手くいってのこいつ的な感じで、ちょっとイラつく。
こういう映画は、壁にぶつかったりダサい主人公を多少憐れむのが楽しいっちゃ楽しいのですが。
でもそうならなかったのは、お兄ちゃんを際立たせるためで、お兄ちゃんが辿れなかった道、もう叶えることのできない若かりし頃の夢を、弟は掴んでいく。
ダブリンの不況の真っ只中、金銭的余裕が無くなり大学を辞めざるを得なくなり、バンドも辞めたお兄ちゃんの目線からすると、弟は羨ましくて妬ましい。
いつの間にかお兄ちゃんの心境に似たものを持っていた自分に私は気がつきました。
だからこれはお兄ちゃんの映画。
エンドロールに流れる1番最後の曲歌ってるのお兄ちゃんなのかな。だとしたらいいなって思う。

ついでに言うと、ラストシーン舟に乗ってダブリンを離れるけど、あそこだけCGっぽさやばくてライフオブパイか!ってなりました。
以上。
映画終わったあと、あの子どんどん歌上手くなってったよねー、ったいう人のコメントにハッとさせられた。
「drive it like you stole it」の主人公の妄想は、涙チョチョぎれてまう。
ジョンカーニーの自伝的な映画だったのかな?
おわり。