もか

ダゲレオタイプの女のもかのネタバレレビュー・内容・結末

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

65点

フランス映画でもなければ、日本映画でもなく、・"THE 黒沢清映画"・だった。
それにしたら、いつもに比べてパンチは少ないなと思ってしまった…

素晴らしかったのは、亡霊となった奥さんが、あの👗ドレスを着て温室で夫に襲い掛かるようにゆっくりと現れた事。「叫び」の赤いドレスのように、亡霊の姿が焼き付いてしまう。

ただ、芸術家の父に魂を奪われた妻と娘の話といえばその通りだけど、娘が死んだのも突発的で呆気なさすぎたし、父ステファンも見習いカメラマンのジャンもちょっと弱かったな。

最後の最後まで、娘マリーが死んだのか、生きてるのかあやふやだったけど、結局のところ死んでいたっていうオチは当たり前すぎないか?「叫び」とかでも、こういったオチはやってたから、なんか新鮮さがなかった。
確かに亡霊のように突っ立ってる場面もあったし、ジャンもマリーが生きているか不安で鼓動を聞いて確かめたりもしていたけど、個人的には実はやっぱり生きていて、亡霊のような女だったらもっと面白かった?気がした。

ステファンは、なぜ、マリーが階段から落ちて、確実に死んだと思ったのか。そして、ジャンからマリーは”生きている”という事を聞かされたのにも関わらずその後すぐ自殺したのか。そして、"土地を売りたく無い"写真撮影なら別に他の土地でもできるのに、その理由が弱すぎた。腑に落ちない。

芸術家である父のよくわからないこだわりと言ったらそれまでだけど、もう少し自殺しなければならなかった理由がわかるほどには感情を煽って見せてほしかったな、。
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