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ダゲレオタイプの女のtのレビュー・感想・評価

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
3.8
永遠に囚われた男と、変化に固執した男が目にする幻影と退廃。
大抵のカットに窓が含まれ、やり過ぎでは、と思うほど黒沢清的な境界性が強調される(台詞でも直接ほのめかされる)。フランスで黒沢節は衰えるどころか随所で炸裂しまくり新鮮味は案外ない。
「岸辺の旅」や「回路」の変奏のようでもあり、「めまい」や「風の中の牝鶏」、「夜の人々」(あからさま)へと連想はジャンプしていく。
ダゲレオタイプの拘束と時間に関する特性はすごく面白いのでより押し出してもらいたかったのと、照明にピンと来なかったが、総合的にとても楽しめた。
オリヴィエ・グルメがビニールハウスでコケるシーン、今回は段ボールでなく肥料に突っ込むのか!と笑った。
どこか前田敦子っぽいコンスタンス・ルソーのビジュアルはホラー的(失礼)でハマってる。卒論テーマが黒沢清だったというエピソードも奇跡的。
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