まこぞう

昼下りの情事 変身のまこぞうのレビュー・感想・評価

昼下りの情事 変身(1972年製作の映画)
2.8
田中登版『昼顔』と言っては安易ですね。

恐らく本土復帰直後(1972年5月)という理由だけで沖縄を中途半端にブッ込んだり、阿保そうなジジイに「日本のGNPはじきに米国抜くぞ!」と言わせたり。
(この頃にGNP至上主義が公害との絡みで問題になっていた模様)。
そうやって軽い感じで政治的なものを盛り込むのは娯楽作品としてすごく正しいと思った。
と書いたものの、監督の深い意図が実はあったらどうしよう…たぶんありそう。

変身シーンというか、単なる着替えシーンで室内なのに風が吹く演出が◎。

戻ってくる紙飛行機や、白薔薇に血がついたりするのも意味ありげ、安易なのに難解で◎。

花は枯れるべきだといきなり激昂する風間杜夫が◎。

ラストの力無い「人殺し」の声から風間杜夫のアップは◎を超えて最高!

身も蓋もないことを言えば、もっとベッドシーンが短ければもっと良い映画になっていたと思う。あれがリズムを乱していたような。

男優たちの方が女優たちより良かった作品でした。

2016年1月28日 渋谷ヴェーラ
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