酢

ぬるぬる燗燗の酢のレビュー・感想・評価

ぬるぬる燗燗(1996年製作の映画)
3.5
ドラマ版を視聴。映画版とはキャストも内容も一部違うようなので本来ならここに書くのも違うんだろうけど、作品の知名度向上を願って。

まず、「処女の肌で温めた究極のぬる燗」という荒唐無稽にピンと来るような人には必ず見てほしい。主演の藤田敏八と大和屋竺の演技が良い。ゆるいギャグテイストを醸しつつも、どこまでもガチ。サングラスを掛けた彼らが、店の奥でひそひそと話しつつ日本酒を飲むシーン。怪しさをプンプン漂わせながらも彼らは本気。真面目な顔で馬鹿をやっている。それがめちゃくちゃ面白い。

この匙加減をあざとくなく、馴れ合いでもなく実現してみせるのは相当難しいと思う。「大人のメルヘン」と呼びたくなるに足る格がある。藤田敏八と大和屋竺の存在感に支えられている作品だと思う。

だからこそ、大和屋の死去によって配役が渡辺護に変更された映画版でその辺のバランスがどう変化しているのかがとても気になった。直近ではラピュタ阿佐ヶ谷で上映されていたらしい。もう少し早く気づいていれば、、、
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