酢

おいしい結婚の酢のレビュー・感想・評価

おいしい結婚(1991年製作の映画)
4.0
これまた傑作。森田芳光が『秋日和』を換骨奪胎すると、今ドキの若者向け結婚HowTo講座になるのね。基本的に登場人物がみんな人間らしい嫌らしさと愛嬌を併せ持っていて、段々愛おしく、そしてずっと眺めていたくなる。おまけに洒脱な台詞回しと凝った美術で多幸感はMAXに💯😭 斉藤由貴と唐沢寿明の若者らしい凸凹喧嘩ップルっぷりが微笑ましい。対比を描く三田佳子と田中邦衛は作中で描かれていない人生の歩みをまでも想像させる存在感。中年オヤジ三人衆は俗物っぷりがチャーミング。配役のコントラストが尽く良い味であー嬉しい。

森田芳光の映画って「おれはこの題材をこう異化して撮ってやるぞ」てな批評精神とか「こういう人間って馬鹿だよね〜」な小賢しさが滲み出ると見てられないほど腹が立つんだけど、ハスに構えながら直球で良いシーンをやってくれる時は本当に懐深い優しさが感じられて泣けちゃう。
酢