真空桜

空人の真空桜のネタバレレビュー・内容・結末

空人(2015年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦末期、特攻隊として当時自分が取った浅はかな行いによって、生き残ってしまった1人の老人を通して描く人間ドラマ。

作品の中では明らかにされていないが、余命がわずかと悟ったことによる懺悔と開放感が、この老人の精神と行動を突き動かしたのではないのだろうか。

そうでなければ、なぜ今になってという疑問が残る。

反戦映画という一面を残しているものの、全編に漂うのは生きることの素晴らしさだと思う。

後悔はあれどその重荷を一気に吐き出すことによって、新しい人生というのは大げさだが、出会う人々やその地方の伝統と重なって、今まで想像しなかった道がその先に広がっていく。

老人が想い焦がれた特攻隊時代の先輩の妹の娘役を高橋かおりさんが演じているが、重ねる様な設定で胸を熱くさせる。

生きる希望が書かれた手紙、
エンディングは個々が思い馳せるような余韻の残る感じがたまらない。
真空桜

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