かるまるこ

人魚姫のかるまるこのレビュー・感想・評価

人魚姫(2016年製作の映画)
1.0
この軽薄な感じと、古臭くてスベってる感じ…。
なんかに似てるなあってずっと引っかかってたんだけど、わかった。

これ、ホイチョイだ。

こういうものが製作される背景には、たぶん中国が今バブル期で、ホイチョイ映画が盛んに作られた1990年当時の日本と似た社会状況にあるせいだと思うが、こちらとしてはもう随分前のことなので、そういう軽薄さはまったく持ち合わせていないし、それを2016年の新作と言われると結構キツいものがある。

マイノリティへの差別や弾圧をテーマにしてはいるが、視点が常に体制側で、「可哀想な存在に手を差し伸べてあげてる」的な上から目線が鼻につく。

唯一ちょっと笑えそうなタコの鉄板焼のシーンだって、よく考えたらひどい。
タコの足が再生するのは事実だし、現に元通りになってるから、別に笑ったっていいじゃないかと一見思うが、それは確実に差別する側の論理であり、例えば、「別に減るもんじゃなし…」とかいってやる側が軽く考えているせいでセクハラが全然なくならないのと同じで、あまりにも浅はかで、意識が低すぎると思う。

全編通してそんな調子で、例えるなら、昭和脳のままアップデートされていないジジイのダジャレをずっと聞かされている気分になる映画。
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