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ショコラ 君がいて、僕がいるのMrMINEのレビュー・感想・評価

4.2
想像してみる。
我々日本人が、つり目の黄色人種と世界の人々に言われることを・・・。

20世紀になったばかりのフランスに、白人と黒人による人気コンビがいた。
当時、黒人差別がのこる時代。白人がまさか黒人とコンビを組んで大衆の面前で芸をするなんて、しかもそのパフォーマンスは注目され、やがて大人気のコンビとなる。
まるで夢のような本当の話。

〝笑われている〟のではなく〝笑わせている〟。タイトルロールでもあるショコラは、奴隷の家庭出身。幼心から植えつけられてきた一種のトラウマ=人種差別、笑い者に葛藤をする。
その場面に涙せずにはいられない。

まだまだ時代が不安定な頃。黒人芸人ショコラがどれだけ素晴らしい人物で、波乱に満ちた人生を歩んでいたのかはこの映画をみればよくわかるが、彼に関する資料等はほとんど残されていないという・・・。
それだけに時代が貧しかったといえるだろう。
それでも夢を叶え、奴隷からスターへそして酒と女、賭け事に溺れていく豪遊人生を歩んだ喜怒哀楽の芸人物語。

劇中で描かれる、白人芸人フティットとショコラの即興芝居、パントマイム、道化ショーはまるで本物の道化師のような圧巻のショー。
生でサーカスをみているかのような臨場感もある。

フティットは祖父に喜劇王チャップリンをもつ。白塗りの顔に吊り下がった眉を描き、前髪をツンツンにあげる。チャーリーのパントマイム芸を彷彿とされる芸にも注目だ。
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