Mrジングルスの孫

ショコラ 君がいて、僕がいるのMrジングルスの孫のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

道化で人気を博したショコラがサーカスを去り、革命を起こす為演劇に挑み、その後の落ちぶれた様まで、彼の心情は様々な推察させてくれる。

印象に残ったシーンは、
借金取りに追われるショコラが
はじめに黒人思想家の家を頼りに行く。
しかし彼はもうそこにはいなかった。
このシーンは、ショコラに革命を吹き込んだ者が彼の知らぬ間に勝手に消えている、彼が意図して頼ったのに裏切られた。映画の最初にショコラが自身には自身しかいないと考えていたもの改めて、痛みを伴い思い出させると共に、意識すらせずもたれ掛かっていたフティットを捨てた彼自身の因果応報とも捉えられる。

そしてラスト。
ショコラの部屋を飾る道化師時代の品の数々。差別を含むポスターや玩具、道化姿のコンビの写真。それらを飾っていたのはただ単純な頃の自分たちに戻りたかったのではないか。今よりずっと考えず、笑いを見ていた頃。望郷に近いものかもしれない。

様々な心情が推察でき深く浸れる面白い作品だと思う。