このレビューはネタバレを含みます
前半は完璧。テンポも良かった。特に松山ケンイチの役作りがすごくて、実際の村山さんを彷彿とさせた。それに対して、東出昌大の羽生さんは、なにかと指し手がぎこちなくって勿体無いとおもった。が、タイトル戦のシーンでは、ちゃんと打てていたので、他のシーンは打つ手がカメラに映った方がいいという監督の指示なのだろうか? そうであったなら、多少見えなくてもリアル感を出した方が良かったかも。
後半だが、村山さんが膀胱癌と言われてからがちょっと長い。羽生さんとの友情を描きたいのは良くわかるが、お互い同年代で勝負師同士なのだ。二人が絡むのは程々の量で良かったのではないか。それよりも、憧れてた谷川さんのことを触れた方が、物語的にもいいように思った。タイトル戦のシーンも然り。最後の対局も、NHK杯の形にした方が、ロマンチックだったように思うのだが…。監督の話では、「一人の時でいる村山さんを描きたい」と聞いていたが、それよりも「羽生さんとの友情」を描きたいように映ってしまった。まあ、羽生さんみんな知ってるし、羽生さんとのことを描くほうが分かりやすいのかなぁ。
ある程度話を知ってる将棋ファンとしては、本物の話がとてもいい話なのに、それをちょっと無駄にしてしまったような印象ももつ。むしろ、いい話が多すぎて、どれをピックアップするのかが難しいくらい。最後に、こんな長文レビューは誰も読まないなというオチ(?)をつくっておいて…。
でも、将棋ファンとして、とにかくつくってくれた角川さんに感謝ですm(_ _)m