ひろぱげ

スイス・アーミー・マンのひろぱげのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.6
無人島に漂着してサバイブしてきたけどもう限界、首でも吊ろうとした主人公の目の前に流れ着く死体ひとつ。そいつがケツから噴き出すガスの推進力でジェットスキーみたいに見事脱出成功じゃああーーー!!
というポスターの絵面そのもの、それが全てだと思ってた・・・。





「お前、喋るんかい?!!」
その後はタイトル通り、スイスの十徳ナイフばりの便利さを見せる死体くんと、主人公との友情なのかなんなのか分かんないものが展開する。(アレが方位磁石になるとかバカ過ぎて最高。)
さすが「エブエブ」で世界の度肝を抜いたダニエルズ監督のデビュー作だなあ。そしてもう一人のダニエル!あの「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフが死体役を怪演。面白すぎる。

単なるバカ映画として片付けられない素晴らしさが随所にあって(あの森での学芸会みたいな作り込みとか、その辺りのテンポの良さとか)、やっぱりダニエルズただ者じゃないなと思うんだけど、小中学生男子が考えそうな下ネタみたいなのばかり出てくるのでそこが愛せるかどうか。(おれは愛します。)

この作品のメッセージ?・・・
非モテストーカー男が親からも社会からも疎外されて唯一できた親友との心の交流話?(ただし妄想かも)
一般常識(屁をこくことのタブーとか)から解放されるって云々、父親との和解、先入観や固定概念の無い子供こそが主人公を受け入れるよね云々、うーん、そんなこと一生懸命考えるのってなんか野暮じゃない?
ラストのメニー(死体くん)の満面の笑顔が全部かっさらうさ。痛快!(でもね、実際は相当臭いんだと思うよ)
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