キミシマユウキ

スイス・アーミー・マンのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.9
遭難して無人島に漂流したハンクは生きるのを諦めようとしたその時、謎の死体が海から流れてきて…

『ハリーポッター』シリーズの
!!ダニエル・ラドクリフ!!
いつも変な役ばかりやらされる演技派
!!ポール・ダノ!!
主演のサバイバル友情ドラマ。
前々から気になっていたので映画館で鑑賞。


「ジュラシックパークを知らないなら、
それは絶望的だ」

強烈に変な映画なのに、どこか暖かい。
ジャンル分け不可能な怪作が生まれてしまった。
たまたま海岸に流れ着いた死体と友情を育む物語なんてあるだろうか!?
その死体がサバイバルに使える便利ツールになるなんてありえるだろうか!?
前代未聞の物語にワクワクさせられつつ、コメディ要素も強くて劇場は何度も笑い声が聞こえた。
そして近づく終わり…
最初はバカバカしいと思っていた話が気付いたら
「終わらないでくれ…」
と涙目に懇願している自分がいて驚いた。
あまり多くの情報を仕入れずに見た方が純粋に楽しめるタイプの作品だ。
不思議な雰囲気を助長する素敵な音楽もよかった。

主演のポール・ダノは通常運転。
いつも変態とか狂信者とかボコボコにされる役で笑うんだけど、今回もだいぶこじらせていて最高。こういう役やらせたら天下一品。
そしてダニエル・ラドクリフ。
今までに恐らく誰もやったことがない役を見事に体を張って演じ切った!冒頭のオナラ放出(腐敗ガス)シーンから最後まで彼の一人勝ち!!死んでるのにあの表情はズルいぞ!!
体温の通ってない死体役なのに文字通り熱演していた(笑)
あと『10クローバーフィールドレーン』のメアリーエリザベスウィンスレッドが老けてて結構ショックだった。好きだったのに…

ギリギリまでどっちか分からない展開も目が離せず、エンドロール中こみ上げる切ない気持ちの正体もよく分からない。
うん、やっぱりジャンル分け難しい不思議な映画です。


誰からも愛されないから逃げ出したの?


サバイバル映画好き、死体と仲良くしたい方、そしてダニエル・ラドクリフの顔芸の数々を観たい方にはオススメの作品