しおまめ

パワーレンジャーのしおまめのレビュー・感想・評価

パワーレンジャー(2017年製作の映画)
3.3
ハリウッドが戦隊ものを作る。もうそれだけで「どんなものになるんだろう?」とワクワク。
ただ元ネタとなるテレビドラマ版パワーレンジャーは知らず。
一応パワーレンジャー自体が日本のスーパー戦隊をイメージしたもので、その映画版がこの作品なので、原点はやはり日本のスーパー戦隊。元ネタと比べてどうかという点も大切だけども・・・自分は日本のスーパー戦隊に対するリスペクトが感じられるかどうかに注視していました。


のっけから握ったのは牛の乳かチ〇コかの下ネタからスタート。子供は好きだからねこういうの。
自分はくだらねぇと思いました。はい(※貶してはいません)。
そんなコミカルな感じの前の冒頭は、人類誕生前の世界で初代パワーレンジャーたちが命をかけ、犠牲になり、次代に任せたシリアスな話という・・・初代さん御免なさい。人類は今乳かチ〇コかで揉めています。

出だしからまるで「おい、そんな難しく観るな」と言ってるかのようなこの温度差。実際作品全体から漂うのはコミカルな青春物語。パワーレンジャーとなる5人は皆少し外れた学生生活をおくっており、常に不平不満を抱えている状態。
そんな矢先に手に入れた美しい色のクリスタル(勿論5色)。それから5人は並外れた超人的肉体能力が身に付き、それぞれの運命を知っていきます。
面白いのはお約束のスーツに変身するには5人皆が同じ意志の下で願わなければ変身出来ないという点。欲求不満の塊な思春期でこれはなかなか難しい。おまけに5人全員人種が違うというのが今っぽい(そもそものパワーレンジャーがそうだからなのかもしれませんが)。
だからなかなか変身出来ない。変身出来ないと「お前がアカンからや」みたいな空気になっちゃって余計に変身出来ない。もうここまでくるとまるでウォーターボーイズみたいな学生らの団結の話みたいに感じられます。違うのは、世界の命運がかかってるとこ。

悪役となる女の狙いはクリスタル(だったかな?)。初代パワーレンジャーによって封じられていたが、現代に目を覚まし、ついに侵攻を開始する。
ここで思わず感心&笑ったのは、彼女が金で出来た怪物を呼び出す際に訪れたのが採石場であること。古いスーパー戦隊もののクライマックスで怪物が巨大化する時や、爆発シーン撮る時のお約束の場所。
彼女が呼び出した金の怪物も採石場で巨大化。このお約束感!!
そんな危機的状況になりつつあるというのに、当の5人はまだ変身出来ない。
しかし眼前に敵を目の前にして四の五の言ってられない状況と仲間の負傷で、5人はようやく団結する。


はい。変身できました。ここまで約一時間半ぐらい。
長い。長過ぎる。しかもようやくカッコよく変身出来たと思ってカッコいいチームワークかつ肉弾戦をやったのかと思ったら・・・えっ、殴り合いはもう終わり?5分あった?
その後はスーパー戦隊ものではお馴染み獣型ロボットに乗り込み、巨大化した怪物に戦いを挑む・・・が、コクピット内で5人全員素顔を見せてる・・・変身した意味が更に無くなってる!!
だけどチームで侵攻食い止める様は非常に燃える。そしてついに5人が乗ってるロボの合体が・・・!
が・・・合体シーンが無い・・・!?しかもなんだこのトランスフォーマーみたいなデザインは・・・!?
いや、5人のコクピットが近くにある構造とか笑ってしまったけど、ちょっとこれは・・・もうちょっと馬鹿馬鹿しく思いきってやってくれたらなぁ・・・。
最終的に「やったぜ!!」な終わり方で後味スッキリなのは良かったけども・・・うーん・・・。


あと個人的には、ヒーローもので他作品のヒーローの名前を出すなと思いました。
「アイアンマンとかスパイダーマンみたいになれる!?」とか、ふざけんな。お前らがこの世界で唯一のヒーローなんだヒーロー映画ならそこらへんちゃんと描けきなさいよ!
しおまめ

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