七沖

パターソンの七沖のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.5
〝毎日が、新しい。〟
このキャッチコピーは素晴らしいと思う。毎日繰り返すルーチンワーク的な日常であっても、完全に同じ日などない。文字通り、毎日が新しい日であることを気づかせてくれる。

ストーリー…と呼べるものはなく、バスの運転手で詩を嗜むパターソンさんの何気ない一週間が切り取って描かれている。

妻の隣で目覚めて、仕事に行って帰ってきたら、愛犬の散歩がてらバーで飲む。毎日がこれの繰り返しだ。
変化のない日常が退屈すぎて、爆発とか変人とか出てきたりしないかな、と思ったりもしたが、そもそもこれはそういう映画ではない。
よくよく考えてみると、毎日のルーチンはあるが、起きる時間やバスの乗客など、全く同じ日はない。
デスクワークではなく、変化をつけやすいバス運転手という設定はうまいと思った。そして、パターソンはそんな微妙に違う毎日からインスピレーションをもらって詩を綴っていく。
なんというか…自分の日常よりパターソンの日常の方がよっぽど有意義で変化に富んだ日常だと思い直した。
自分も明日からの1日1日を、些細な変化も大切にして生きていこうと思う。


あと、愛犬のブルドッグと詩を書く女の子が可愛かった。
七沖

七沖